たまにはバイクブログっぽい事考えてみました。

早くなるほどテクニックがどんどん必要になりますが、理論限界スピードは誰でも式に当てはめていけばだいたい計算で出せてしまいます。
タイヤの摩擦係数(ミュー)とバイクの総重量とコーナーRの三つでほぼわかってしまうのであっけないですね。
その他の条件はテクニックの領域だと思いますし、むしろそれが「計算じゃぁないんだよ!感じるんだよ!!」みたいなバイクに乗る楽しさなんだと思います。
不必要に怖がらないで、バイクって結構いける(公道基準)からリラックスして乗れよって私自信への言い聞かせみたいなもんだと思って読んでください。

バイクの遠心力とスピードと荷重
注:本当のR中心はバンク角と共に下がります。

四輪車との違いと言えば、二輪はタイヤがグリップしていてもバンク角が限界を超えたらすっころびます。
なので、同等のタイヤ性能だとライダーの技術域をこえて100%コーナーでは負けるので絶対に勝とうと考えないことです。
二輪の方が軽いし絶対早いからと四輪とコーナーできそって吹っ飛んだと多々聞きます…
軽くて早いのは加速であって、コーナーでは重さ関係なく物理的に無理(二度目)なんですってば。

みなさんは決して死なないでくださいね!
そもそも、公道で競わないでくださいね。

 

タイヤの摩擦係数は晴れの日は0.8くらい、雨の日は最悪0.4くらいだってダンロップさんから教えてもらいました。
雨の日は半分しかないのですね… 数字を見て改めて怖くなってる。

遠心力の公式は教科書に載ってます。 
F=mω2r

F:遠心力
m:質量
ω:角速度
r:半径

ここでωが角速度とわかりにくいので時速vキロメートルから計算できるように変換しておきます。

一旦rps
rps = {(1000[km→m] X v) / 3600[時→秒] } / (2[半→直]  X r X π[円周率])
rps = (5v/18)/2πr
rps = 5v/36πr

2πをかけて角速度へ
ω = rad/s = 5v/18r

青の式を合わせて完成!
F=m(5v/18r)2r
F=25mv2/324r

例えば、総重量100kgのバイクが半径100mコーナーを100㎞/hで走り抜けたら…
F=25 X 100 X 100 X 100 / 324 / 100
F=771.605

771.6N(78.7kgf)の外側への力にタイヤが絶えられればOK!
タイヤの摩擦係数が晴れだと0.8なので80kgf(総重量100kgfX0.8)までとぎりっぎり、プロでもないとこけますね。
もし雨だと摩擦係数0.4なので、40kgfまでしか耐えられずアウト!

ちなみに遠心力が重量と同一になる角度は45度で俗にいう横Gは1Gです。
結構たおれてますよ、45度は。大型クルーザーは25度傾けられるかどうかなので現実的ではありませんね。

ちなみに45度はこれくらい

そして30度はこれくらい

日常で使えるのは多くて30度まででしょう。
そうなると約0.58Gまでしか力が加えられません。
この条件で計算すると…
半径100mの最高時速を100kgX0.58=0.58kgfに耐えられる速度で出してみます。雨では摩擦係数が0.4なのでこれまた端から無理です。

計算すると
約86km/h

一般人が無理せず鈴鹿サーキット(路面がいいので摩擦係数もあがるはずですが、無視してください)の第一コーナーを曲がるならこれくらいが目安ということですね。ちなみに雨だと72km/hほどで曲がれる計算でした。
また、この式から、サーキット走行時の自分のスピードが各コーナーの理論値または目標値の何パーセントか調べることによって苦手なコーナーを見つけることができます。

ここで豆知識
・計算してみたらわかると思いますが、比率なので総重量は関係ありません。
・計算のどこにも接地面積がない通り、タイヤの数や太さなどは関係ありません。
この豆知識こそがキモでもあります。

もちろんバイクですと前後に一輪ずつしかないので、四輪車より不安定なのはすぐわかると思います。接地面積が狭くなるほど路面状態変化に左右されやすくなります。
コーナーR中心から外側に向かった遠心力方向に二輪が離れて重なっている四輪は、片側タイヤの摩擦係数が急に減っても、もう片方が正常に接地していれば公道では特に支障なくないくらい平気です。
バイクだとそうはいきません。遠心力方向の滑りに対して一輪しかなく保険が効かないので滑ったらそのままズドーンですね。コーナリング中の急な摩擦係数低下をバイクの前後タイヤでカバーしあう方法は想像がつきません。
理論上は二輪も四輪も同じ考え方ですが、バイクに乗っていて接地面積が少ないことにより不安を感じるのはこのためです。
また、バイクだと遠心力の1Gを耐えるだけでも45度と結構なバンク角の領域に達してしまうけれど、四輪だと車が良ければ1Gをバイクより簡単に曲がってしまえるので、体むき出しで危険と闘いながら競っても全く割りが合わず馬鹿を見ます。

上記は二輪が理論値内でも不利な理由であって、次はついに?!まちにまった二輪が四輪に絶対にコーナーでは勝てないと言い切れる理由です。
バイクだとバンク角をどれだけ傾けても1.7Gくらいが限界で、それ以上はステップをテコにしてタイヤが浮きます。モトライダーが重心を少しでも内側に入れるため体を移動していますね。あれはバイクを倒そうとしているのではなく、すでに限界まで倒れたバイクからさらに全体の重心を内側にするためです。
(限界を超えて滑りつつドリフト気味に高度なテクニックを使って走れば1.7Gを超えて走れるとは思います。)
そして四輪ですが、ホンダさん曰く4.5Gもいけるそうです。

ね、圧倒的に無理なんです。

どこで聞いたか忘れましたが、F1開発者が「四輪だと人間の操作限界を超えたので性能をもうあげられず、レギュレーションで押さえてる」みたいなことを言っていて、ほんとその通りだと思います。耐えるのがいっぱいいっぱいで操作なんて無理な感じが数字からだけでもわかります。

例として、高速道路で小さい半径400mを想定した場合

1.7G:約294km/h
1.0G:約225km/h
0.8G:約200km/h ← 晴れ
0.6G:約171km/h ← バンク角30度あたり
0.5G:約160km/h
0.4G:約142km/h ← 雨
0.2G:約101km/h

当ページ上では横Gと摩擦係数を同等に考えてよいと思います。
なので、雨の日でもバンク角が30度以内で100km/h巡行ができる性能をバイクは一応きちんともっている計算ですね。
なん度もいいますが、四輪でも上記が理論限界スピードなのでくれぐれもお間違いのないようお願いします。
そして、上記スピードまでならだれでも出せるというわけではありません。路面に変化がなく、バンク角やスピードを機械のように一定に保てた場合です!

タイヤの数関係なしで市販車が公道を走るときは安全マージンを倍とって晴れで0.4、雨で0.2だとより安全ですね。
安全マージン2倍でざっと計算したら、結局は各道路の制限速度くらいでした。

 

結論、必要以上に怖がらず走れる速度は

制限速度を目安にすると丁度いい

疲れたわりに極めて超ありきたりな結論を招く値となりました。

ちゃんちゃん。

(見落としや計算違いがあるかもしれません。教えてください。)